表現者として在る、というのが大事ですね。

こんにちは、Griloです。

今日はカポエイラに取り組む上での在り方のお話し。

カポエイラの持つ様々な型って、

その一つ一つが言語であり、文法であり、

メッセージを届けるためのコミュニケーションのツールだと思うんです。

普段の型の練習はその言語運用能力を上げるためのトレーニングで、

ジョゴはそのコミュニケーションの現れ。

そしてそこで表現されるべきは、

その人の在り方だと思うんですね。

その時にクローズアップするべきものって、

心、では無いと思うんです。

どちらかというと直観であるとか、

その瞬間にあるもののテクスチャー、

それを切り出すのが大事であると思う訳です。

心、から動こうとする人は、

いつもコロコロと揺れ動く心に囚われてしまいます。

「上手く出来ているだろうか。」「相手は自分とジョゴをしていて楽しいだろうか。」

「目立つことが出来ているか。」「格好悪い動きはしたくない。」

「出るのが恥ずかしい。」「自分なんかが割って入るのは烏滸がましい。」

全て心の動き。

それは多分その人自身とは別のモノだと思うんですよね。

そうでは無くて、あくまで直観的に表現したいものを型を通して現す。

相手の存在を感じ取りながら、自分の表現したい事柄を余すところなく出していく。

それが大事なポイント。

別に上手くなくて良いんです。

誰かの目を気にして動くのは止めて、

自分自身の中から出てくるもの、その場に流れているものに委ねること、

自分は表現者として在るのだ、という姿勢でいるという事を続けると、

その人らしいエネルギーが現れてくると思います。

 

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カポエイラ:ブラジル渡航レポート① エッセンス

随分久々の更新になってしまいました。

支部長のGriloです。

10月17日~28日まで、ブラジルに行ってまいりました。

湘南支部を立ち上げる直前以来、実に6年ぶりの訪問で、

これから毎年のように行くことになるかなぁと思っています。

情報がまだ風化しないうちに、ブラジルレポートを複数回にわたってお送りしようと思います。

一回目の今日はともあれブラジル本部ACCCに行く意味、そのエッセンスの話。

 

カポエイラを日本でやっていると、日本のカポエイラも随分と育ってきて、

レベルもかなり高いものになって来ていると思う事がある。

技もバリエーションも豊かになり、ホーダもそれなりに行われて、

ともすると日本も本国に負けないレベルまでもう少しなんじゃないか?

なんて思ってしまう。

けれど、そんな考えを清々しいまでに一蹴してくれるのが、

本部でのホーダとジョゴの経験だと、今回の訪問で身に染みた。

 

ブラジル本部のカポエイラと日本のそれは明らかに違う。

使っている技や蹴りはさして違いは無い。

ただそこに乗っている覚悟が違う。

日本に居ると気付かないけれど、僕ら日本人はジョゴ中も無意識に色々な事を考えている。

例えばマルテーロ(上段廻し蹴り)一つとっても、

相手にそれを放つにあたり、

やれ怪我をさせないようにだとか、明日の仕事に支障が出ないようにだとか、

きちんと避けられるようにだとか、相手が嫌な思いをしないようにだとか、

そういったことを物凄い高速で頭の中で回しながら、

最適解としてのマルテーロを出そうと頑張っていると思う。

ある意味では未来のことやこれから起こることばかりに意識がいっていると言える。

それに対してブラジルのカポエリスタは、

今しか見ていない。

今、相手を倒すためだけに蹴りを放つ。

だから、物凄く蹴りが強い。

迷いが無い蹴りは、様々な思考を塗りたくった蹴りとは全く別の次元のものになる。

結果、日本人はブラジルに渡った時、大きく気圧される。

「嫌われたのではないか?」と思う人さえ居るほどに、

彼らの蹴りは本当に相手を倒すために放たれている。

その辺りが、ブラジル本部と日本との絶対的な違いであると僕は思う。

 

僕が今回のブラジル訪問で一番印象に残っているのが、その事だ。

6年前にブラジルを訪問した時、僕はインストラクターの帯で、挑戦者だった。

兎に角強くなるために、全力でぶつかって行っていたと思う。

そのため、余計な遠慮がなくブラジル本部のエネルギーを存分に味わい、吸収できていたと思う。

それが今回、色々な知識を付けてプロフェッソールとして臨んだ自分は、

様々な事を知っている故に弱く、一つ一つの動作に躊躇いがあった。

そのためにブラジルのエネルギーに順応するのに1週間近くかかってしまい、

しっくりくる感じになった頃には帰らないといけなくなってしまった。

この辺は痛恨だがいい勉強になったし、何のためにブラジルに行くのかが良く解った部分でもある。

何のためにブラジル本部を訪れる必要があるのか。

それは詰まり、カポエリスタとして、今、この瞬間に、全力になるため、

だと言える。

日本ではあまりにも知識や柵が多すぎる。

それをさっぱりと脱ぎ捨てて自分自身のポテンシャルを出し切ったらどうなるのか、

それを経験できるのが、ブラジルを訪れカポエイラをすることの意味だと思う。

 

さて、次回はブラジル滞在あれこれをお送りしたいと思います。

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